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日本と中国 [生活]

日本と中国の関係がまた話題になっている。

身近な話として、
この4月から日本で3ヶ月間研修を受けるはずだった
私の日本語教室の生徒さんが、
中日関係が微妙という理由で直前に
研修取止めにされてしまった。

また、今日、我が家から自転車で10分ほどの近所で、
数千人規模の抗日デモが行われた。
日本車や日本料理店、日本大使館などが襲撃されたらしい。

ニュースを漠然と見ていると
「そんなに日本は嫌われているのか?中国人が
日本人を憎む気持ちはそんなに強いのか?」
と不安に駆られる。

本当にそんなに状況は悪いのだろうか?

中国の首都、北京に暮らしていると、
いわゆる「反日感情」よりも「親日感情」に触れることが多い。
大学の友達、先生、タクシーの運ちゃん、近所のおばちゃんにしても、
こちらが日本人だとわかると、自分たちが知る限りの日本知識を
披露してくれる。その大部分が好意的なものだ。

日本の電化製品、車、漫画、アニメ、テレビドラマ、地下鉄の素晴らしさ、
日本人の礼儀正しさ、日本女性の美しさ

中国にとって日本はいい意味でも悪い意味でも
無視できない「気になる相手」なんだと思う。
だから、私個人の考えとしては、
今の中日関係の状態を
「反日感情」の表れと一括りにするのは正しくないと思う。

勉強不足なので、詳しいことは言えないが、
今の中日関係に歴史的な背景(戦争時)があるのは確かだろう。
憎らしいという感情をはっきり持っている人も確かにいるのだろう。

でもそれだけではない!気がする。
つい最近読んだ本の中で、
「中国は国内の問題から目をそらすために、日本を利用している」
とあった。
中国は多民族国家、人口13億人の巨大国家である。
これをまとめるのは難しい。
貧富の差も激しい。
国民の中には不満が渦巻いている。
その不満が政府に対してぶつけられたら、ひとたまりもない。
だから、政府が意図的に日本という共通の敵を掲げることで、
国が、国民が、愛国心という名のもとに一つにまとまるのだと著者は言う。

もしこれが事実だとしたら、感情問題よりも
むしろ解決の糸口を見つけやすいのではないだろうか?

私の周りでは、今の中日関係の状態を冷静に見て、
中国の過剰反応を疑問に思っている中国人も少なからずいる。
その多くが、実際に日本文化や日本人に触れたことがある人々だ。
自分の目で見て知っている日本と、正体の見えない「憎い(はずの)日本」が
一致しにくいのだと思う。

今日、一緒に食事をした中国人の友達が、
「私の友人が日本の悪口を言っているのを聞いて、辛い気持ちがした。
日本人のあなたが聞いたら、もっとずっと辛い気持ちがするんだろうね。」
と言っていた。
その言葉を聞いて辛くなるより、むしろ希望が見えて嬉しかった。

「中国対日本」という国の対比では、大きく抽象的過ぎて
実体がつかめず、お互いに誤解を生みやすい。
ところが、「人間対人間」という小さいけれど、地道で確実な交流によって、
自分の目で実際に見て日本を判断してくれる中国人を増やすことは
問題解決への大きな一歩のように思う。


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コメント 6

tukushi

マスコミは一方の主張だけを誇張して報道している可能性は十分あります。一時は「反日」「反日」と紙面を賑わせていたのにもう忘れられようとしている。ただ事実だけを垂れ流すだけがジャーナリズムじゃないと思うのは私だけでしょうか。
卓球の愛ちゃんは“反日デモ”直後の上海で地元の大きな声援を受けていたそうです。私のお会いした中国人もいろいろでした。もし、たとえ嫌いだと思う人がいても、それは同じく日本人に対しても抱く感情となんらかわらないと思います。今回の反日デモは、それをあおる人がいて、面白がって追随する人が沢山いたということでしょう。
中国人と話す機会があれば先入観なしに話すことができればと思いますし、もっと顔の見える関係を築くことができれば徐々に解消されていく問題だと思います。
by tukushi (2005-05-15 16:58) 

jozuegoma

コメントありがとうございました。私のブログにおいて初コメントです。
ところで、あっという間に「反日」ムードの報道がなくなりましたね。
ジャーナリズムは事実の垂れ流し・・・分かりやすい表現だと思います。
このやり方は熱しやすく冷めやすい日本人の気質に合っているんでしょうか?
ま、私も典型的な日本人なんですが。。。
by jozuegoma (2005-05-15 19:46) 

swimin-china

事実の垂れ流し、というか、事実の一部だけの垂れ流しですよね。変な例えですが、1本のバナナの一部の黒いところだけを切り取った映像を繰り返し流すと、あたかもバナナ全体が真っ黒いかのような印象を与えますよね。僕も反日でもの影響で、大連から上海への赴任が延期になって足止めを食らいましたが、思ったとおり上海は安全そのもので、なんだかなあと思いました。こちらで暮らしていると、親日感情に触れる事の方が多いというのは、私も同意見です。こうしてありのままを伝えることができる、ブログという新しい情報源ができた事も喜ぶべき事かも知れませんね。
by swimin-china (2005-05-19 22:36) 

jozuegoma

太郎さん、初めまして。コメントありがとうございました。
バナナの例え、面白いです。(でもどうしてバナナ?)
さっそく、太郎さんのブログも拝見しました。私も5月にSo-netのブログにデビューしたばかりです。今のところ、自分の記録という意味合いが強いのですが、そのうち、少しでも役立つような情報発信地になれたらいいなと思います。
by jozuegoma (2005-05-20 16:42) 

チャイママ

初めまして!大連住在の私としてこのブログを読みながらウンウンと、うなずくばかりでした。日本のメディアも中国のメディアも何か偏りがある様に感じたのですが、、個人単位であれば私なんか 市場に 一週間行かなかっただけで どうしていたんだ?元気だったのか?私は貴女をず~っと想っていたんだよ!ナンテ言われて抱きつかれてしまう有様だっただけにあの反日デモはホントに悲しい物でした。中国語の家庭教師の老師(大学生)も、ホントに反日感情が有るのはホンの一部の人達です、私も本当に悲しい事だとおもいます。と言ってくれています。
by チャイママ (2005-05-22 16:24) 

jozuegoma

チャイママさんへ。コメントありがとうございました。大連にお住まいなんですね。周りの中国人の友達の温かさに触れるたび、政治とか歴史とか関係なく、何のわだかまりもなく付き合っていけたらなと思いますよね。お互いに中国で是非、人間同士の付き合いを広げ、楽しく暮らして行きましょう!
by jozuegoma (2005-05-24 00:52) 

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